釣りのようなタイトルだが、私が初めての転職で体験したリアルなお話。
そもそも転職時に大幅な年収減を覚悟していて、入社したら実力でのし上がってやると決めていた。
転職で新しいことに挑戦してみたい人、業界を大きく変えて転職したい人、には、あくまで一個人の体験談ではあるけれどもしかしたら勇気がでるお話かもしれない。
転職をする前の私
新卒で入った会社は東証一部上場企業、そこでMRとして働いていた。
同世代の中ではお給料はかなり良かった。
言える範囲で具体的な数字を出すと20代半ばで500万円以上はもらっていた。
(MRのお給料事情は検索すると出てくるので隠しても意味がない。)
さらに、年収とは別の補助/手当があり、東京の場合は家賃補助が月8万(年間約100万)、外勤手当は月4-5万(年間50-60万)、確定拠出年金・持株会手当・福利厚生を考えると、「年収」に収まらないものが150-200万円くらいあったのではないだろうか。
転職先は新しいチャレンジ
MRをしていた私が転職した企業は観光イベントベンチャー。
転職の理由は、とにかく新しいことに挑戦してみたいという思いだった。(若気の至りとも言う…)
社長の近くでスピード感のある仕事をしたい、小さい組織・ベンチャーで若い社長の下で働きたいという思いで、組織形態を重要視して選んだ会社だった。
インバウンド観光需要を追い風に、成長している観光イベント業、海が舞台。海が大好きな私には見つけた瞬間「これだ!」と運命を感じた。
社員約15名、平均年齢20代、創業10年未満。不安定な業界。
これまでのキャリアを知る周りの人からは心配される転職だった。
入社前の条件すり合わせ「給与は会社が社員に投資するという事だよ」
提示の内容の一部だが、
試用期間3か月、月収20万以上
転職の募集には「以上」と書かれているので、前職の給与の考慮があるはずと思っていた。が、結論から言うと前職給与の考慮は一切なかった。
採用が決まりかけて条件の話をする際、社長からこう言われた。
給与は会社が社員に投資するという事、今のナミさんには投資できない。
業界未経験、全然違うことをしていたから即戦力ではない。
でもこの会社で学べると思って応募してきてくれたなら、提示している条件で一緒に働いてくれないか。
ベンチャー企業で会社も社長も社員も組織自体も若い。社長の近くで、事業運営を学べる。体験して学べることがたくさんあるはず。と会社自体には魅力を感じていた。
給与が減る事への不安はあったけどそれよりもやってみたいという好奇心が止められなかった。
生活なんてどうとでもなるという気持ちで飛び込むことにした。
住まいは家賃を浮かせるためにシェアハウスに引っ越し、ギリギリだけどなんとか生活できるだろうと。
減ってしまう年収分は勉強代・自己投資だ!やってみたい!!と思う気持ちで突き進んだ。
1億円売ります宣言
給与をあげるにはわかりやすく会社に利益を与えらる人間になることだ。営業の数字を挙げて給与を上げてもらうぞと心に決めていた。
積極的に質問して実践して仕事を覚えていった。MR時代に培ったコミュニケーション能力でお客様対応もスムーズ、1ヶ月ほどで一人で営業させてもらえるようになっていた。
会社にも馴染み始めたころ歓迎会をしてもらった。そこで、決意表明をいう事になった。
ナミさんもベテラン営業の○○さんのように年間1億稼ぐ、くらいの決意が聞きたいな~。
1億と言わずそれ以上売ります!
お酒も入っていたけど、結構本気。創業時から在籍しているベテランには敵わないと社長には爆笑されたけど、私のビッグマウスが嬉しかったからではないかと解釈している。
みんなの前で「1億円売る」という宣言をしたことで後にひけなくなり、やらなければと奮起し実績をあげていった。自分の成績だけでなく、社内の経費削減のために業者交渉やルールの作成など思いつく限り会社の利益が大きくなるよう動いていた。
本当に自分でもこの時は頑張ったと誇れる。
社長に直談判「私に投資をしてください!」
当時、一年に一回、雇用契約書を交わすという事をしていて、その際に話したい人は社長と面談ができる仕組みがあった。
面談の約束を取り付け、これまでの営業成績や、経費削減音取り組みと今後の展望をまとめ準備した。同席してもらう部長にもネゴシエーションして味方になってもらい、面談の時を迎えた。
以前、社員への給与は会社の投資と言いましたが、これだけの利益をあげている私に投資しませんか。
月10万円の給与UPでさらに営業成績UPと経費削減に力を尽くします。
確かに入社1年目で本当に個人売上1億達成もみえている。
これだけ会社に貢献してくれていて、これからも働いて欲しいと思っている。
ナミさんへの投資か、考えてみるよ。
この交渉で月8万円の給与UPを叶えた(年収約100万UP!)。やったー!
そして、その年は個人売上1億円を達成。
その実績を掲げてさらに月収10万円給与UPを打診し翌年も給与がUPした。
こうして転職時に大きく減ってしまった年収を、2年ほどで200万以上UPさせることができた。
今思う事。年収UPのカギ。
「転職は年収UPのために行うもの」という考えが世の中ではスタンダードなのかもしれない。
そのスタンダードが私には違った。挑戦してみたいという気持ちが止められなかった。
でも、やっぱりお金も大事。
その両方を手にするには?
相手の事を知る必要がある。
「給与は会社が社員に投資するという事」これが、企業側が社員に支払う一つの考え方。つまり私たちは、会社に対して投資するに値する人であることを認めてもらう必要がある。これは入社前でも入社後でも同じ。
転職する時は、私は肩書にすがっていた。この経歴ならそれなりの給与を提示するだろうと。実際はその肩書では投資対象としての裏付けにならなかった。
別の業界へのキャリアチェンジの場合は、採用時に自分の経歴でその企業へ貢献できることをアピールして交渉すべきで、それは実際は難しくて提示額より上げるのは難しいように思う。
結局は、転職の際に何を主軸におくのかに尽きる。
やりたいことに挑戦するという事を大事にしたいということであれば、飛び込んでみるのも悪くないのかも。
そして年収で不安に思うなら私の事例のように入社後に貢献度の高い社員であるという事をアピールするという道も一つの可能性ではないかと思う。
そして私の場合、給与を上げたいという原動力で営業実績に対して貪欲になれたのも事実。めちゃめちゃ仕事したという達成感があった。
今回の話は、あくまで一つの体験談。入社後に年収上げることができる制度やルールなのか企業によっても違うのであくまで参考として読んでほしい。
このお話が少しでもあなたのお役に立てたなら嬉しいです。
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